富士登山の代表的な行程表
ここでは、最もポピュラーな山梨県側の吉田ルートを1泊2日で登る場合のモデルケースを解説しています。
Day1 10:00
実際に登山をスタートする1-2時間前には登山口となる五合目に到着して、標高に身体を慣らす時間をとりましょう。
売店での腹ごしらえもおすすめです!
12:00
五合目を出発!
はじめのうちは元気でついつい飛ばしがちですが、落ち着いて、できるだけゆっくりと足を進めるのがポイントです。
16:00
八合目の山小屋に到着!
八合目は、だいたい五合目と山頂の中間地点にあたり、行程のバランスがとりやすいおすすめの宿泊ポイントです。
18:00
夕食は多くの山小屋でカレーが提供されます。
そして食事の後は速やかに寝床へ。翌日は長い1日になりますので、できる限り眠っておきましょう。水分補給も忘れずに!
Day2 00:00
山頂での御来光を目指す場合には、真夜中に再び歩き出すことになります。
手持ちの防寒着をすべて着込み、ヘッドランプを装着して、いざ出発!
04:00
登頂!おめでとうございます!
御来光まではまだ少し時間がありますので、山頂の山小屋で温かい食事をいただきながら待機します。
04:30
御来光の時間です。
多くの登山者が思い思いにカメラのシャッターをきる、荘厳な歓喜の瞬間です。
10:00
御来光の後は長い長い下山が待っています。
おおよそ4-5時間ほどの行程で無事に五合目まで帰り着くことができれば、富士登山は終了です!
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おすすめトレッキングシューズ








ALTRA
OLYMPUS 6 HIKE MID GTX
富士山は、火山性の岩で形成された山です。登山道は角が立った岩や砂利で覆われており、特に下山の際には長時間に及ぶダメージの蓄積が深刻なトラブルに発展するケースも…。
33mmという圧倒的なクッション性能をもつオリンパスのミッドソールは、足下からの突き上げ、着地の衝撃を確実に吸収しながら、過酷な富士登山をサポートしてくれます。
履き口からの砂利の侵入を防ぐため、また長い下山での足トラブル防止のためにも、ミッドカット以上のモデルがおすすめです。
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おすすめレインウェア













Teton Bros.
Tsurugi Lite Jacket
富士山におけるレインウェアには、単なる防水シェルとしての役割以外にも、特に気温の低い夜間の防風・防寒着としての機能も求められます。
あまりに生地が薄い軽量モデルでは、独立峰に特有の強風に晒された際に身体が冷えてしまったり、長時間の風雨に晒され続けることで浸水してしまったりと生命のリスクに直結するトラブルを生じかねません。
富士山におけるレインウェアは、"身体が守られている" 感のある、しっかりとした厚みのある生地のものがおすすめです。
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おすすめバックパック














NEMO
PERSIST 30
富士山におけるバックパック選びのポイントのひとつが、荷物の重さをしっかりと肩から骨盤に逃がすことができるという点です。
肩周りの圧迫は、場合によっては深い呼吸を妨げてしまい、結果的に高山病の症状を生じやすくなるというリスクにつながりかねません。
必要十分な剛性をもったフレーム、圧力を適切に分散させられる厚みをもった肩と腰のハーネスシステムは、多少バックパックそのものの重さを増すことになったとしても、結果的に1泊2日の行程を歩き通す上で必要な快適さを提供してくれるはずです。
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おすすめヘッドランプ





Milestone
MS-i1
富士登山という極めて特殊なシーンに限定していえば、ヘッドランプの明るさはそれほど重要ではありません。数多くの登山者が、同じタイミングで列をなして山頂を目指すことになるので、周囲の登山者のヘッドランプの光が重なり合い、ほとんどのシーンで光量不足は問題にならないはずです。
MS-i1をおすすめする最大の理由は、バッテリーが後頭部にレイアウトされていることによるバランスの良さ、快適な装着感です。高所で浮腫んだ頭部をヘッドランプでさらに締め付けてしまうと、ただでさえ高山病で頭痛を生じかねないところにさらなる不快感をプラスしてしまう可能性も…。
安心のバッテリーライフも含めて、おすすめの名機です!
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おすすめトレッキングポール

Black Diamond
Distance Carbon Z
富士登山にチャレンジする方の多くは、"苦しい" 登りの最中ではなく、比較的 "楽な" 下りの中で脚の限界を迎えます。
これは、下りにおける主要な筋肉のはたらきが "伸張性収縮" と呼ばれる、筋肉にとってより負荷の高い力の出し方となることに起因します。
そんな筋力的な負荷の高い下りのシーンを強力にサポートしてくれるのが、トレッキングポールです。
接地の衝撃と体重の負荷を脚だけでなく上半身に分散させることで、少なからず膝への負担を軽減し、膝が "ガクガク" し始めるのを防いでくれます。
元富士登山案内人のスタッフが教える
初めての富士登山 Q&A
"体力" を一概に評価するのは難しいですが、おおまかな目安として、標高差700mの登山ルートを日帰りすることができれば十分な余裕をもって登頂を目指すことができるのではないでしょうか。
とはいえ、いくら体力に自信がある方でも、ぶっつけ本番での登山はおすすめしません。可能な限り、春先から徐々に低山でのハイキングで "山登り" の負荷に身体を慣らしておくのがベストです。
携帯酸素缶は、頭痛や吐き気といった高山病 (高度障害) の症状を劇的に緩和してくれます。
しかしながら、酸素吸入で高山病の症状が緩和されるのは、酸素を吸入している間だけです。一度、高濃度の酸素を吸入した後に自然呼吸に戻すと、吸入前よりも酷い症状に見舞われることも少なくありません。
これは、せっかく身体が低圧・低酸素環境に順化しようとしていたところに高濃度の酸素を吸入してしまうことにより、身体の順化プロセスがリセットされてしまうことが原因です。
酸素は、それ以上の登山を諦めて下山をする際の症状緩和目的、もしくは、山頂までずっと酸素を吸い続ける覚悟と資金的余裕がある場合にのみ、限定的に吸入することをおすすめします。
ルート上の山小屋には、基本的にトイレが併設されています。特に吉田ルートでは、登りの行程では基本的に1-2時間に1箇所はトイレがありますので、トイレを利用するための小銭さえ用意しておけば心配は不要です。
ただし、下山ルートには本八合目から七合目まで長いトイレ不在のセクションがあり、七合目のトイレも長蛇の列になっていることがほとんどです。
下山時には必ず本八合目でトイレを済ませておくとともに、不安な場合には携帯トイレと目隠しのためのツェルト (超軽量な緊急時用テント) などを持参することをおすすめします。
"現金" これに尽きます!
あれば便利なアイテムは星の数ほどありますが、何かをもつということは、それだけ荷物が重くなるということです。
ハイシーズンの富士山においては、水や食糧など "どうしても必要なもの" の多くは、山小屋などで購入することができます。軽量コンパクトで、必要なときに必要なものと交換することのできる魔法のアイテム、それが現金です。
特に紙幣は濡らしてしまわないように入念な防水対策をお忘れなく…!